便秘とは何をさすのでしょうか?
便通が何日かに1回の方でも健康で暮らしている方もおられますが、これは病気とは言えません。
便秘とは次のような便が出なくて苦しむ状態を指すのです。
その他にもありますが、主に上記の3つの症状のどれか、あるいは組合せということになります。
年齢・性別で便秘の方を見ると、厚生労働省の調査(平成22年)では、若い人から中年までは圧倒的に女性が多いという結果でした。
それが高齢者すなわち60歳代後半になると男女共に急激に増加します。
すなわち高齢になるに従って男女共に便秘で苦しんでいる方が劇的に増えるということです。
そこでまずは年齢・性別に大きな違いのある便秘のうちのどのタイプに属するか、はっきり捉えることが大切です。さらに細かく、あなたの便秘がどういうメカニズムで生じているかを検査によって明確にしなければなりません。これが出来なければ、むやみに治療しても「闇夜(やみよ)に鉄砲(てっぽう)」となり、治療の効果が上らないのは明らかです。
すなわち便秘には年齢的な違い、性別の違い、原因別の違いなどが大きく影響しているため、これを全部「十把一絡げ(じゅっぱひとからげ)」で治そうとしても不可能なことです。
以上のことから当院では便秘の方を年齢別、性別、原因別に分けて治療いたします。それにはまず検査で病態をはっきりさせ、次にこれに対して最も適切な治療法を選んで治療を行います。これには様々な専門職が協力し、それぞれの経験や能力を活かし合って病気を治します。
1.生まれつきの便秘、2.乳幼児の便秘、3.思春期の便秘、4.壮年期の便秘、5.高齢者の便秘など、年齢特有の様々な便秘の種類があります。ご自分でどれに当てはまるか見当をつけていただいてご相談ください。
また一般的な診断ではわかりにくい非常に厄介な便秘もあります。この場合は原因が複合して病気を引き起こしている場合がほとんどです。
これを検査によって細かく解体してみて治療によって組み立て直すという方法で病気が治るのです。また直腸や肛門に来ている神経の障害であるNISという疾患が原因となっている場合さえあり、ほとんどの病院では治療が難しい場合もあります。しかし当院の治療ではNISは約80%の方の症状が改善しておられます。